海外の見本市に行く前に
輸入ビジネスを始めようとしても、輸入すべき商品が見つからないのでは話にならない。
輸入する商品は、どこで発掘すれば良いのだろうか?
一番手っ取り早く、効果的な方法をお教えしよう。
それは、見本市に行くことである。
見本市とは、文字通り新商品の「見本」を展示している場だ。
JETROのホームページ等で検索すれば、見本市がいくらでも出てくるだろう。
私は海外の見本市に行く前にまず、日本で開催されている国際見本市に行くことをお勧めしている。
それも、一般向けの日ではなく、業者向けの開催日に入場するのである。
業者でもないのに入れるんですか?とよく尋ねられるが、
名刺を作っていけば何の問題もない。
自分が輸入業者と名刺で宣言してしまえば、あなたはすでに業者とみなされるのである。
木曜・金曜は業者向け、土曜・日曜は一般向けという展示会もあるが、
土日に行くとメーカーもオフモードなので参考にならない。
こうした場合、ぜひ木曜日、金曜日に行ってほしい。
ハードルが高く感じられるかもしれないが、名刺さえあれば何の問題もない。
誰かにとめられたり、質問されることもまずないから安心してほしい。
日本は世界から見ても最大の市場のひとつである。
年間を通して様々なジャンルの見本市が開かれており、
東京ビッグサイトや幕張メッセ等の大きな会場で開催される展示会も多い。
こうした展示会は入場者が何十万人規模におよぶほどだ。
また、展示会に参加している海外メーカーもわざわざ予算を組み、
日本まで来ているのだから、やる気に満ちた会社が多いのも特徴だ。
輸入業者としても低予算で海外の新製品に出会えるのだから、
商品発掘の場としては最も身近で効果的に感じられるだろう。
わざわざお金をかけて海外に行かなくても良いのでは?と思うかもしれない。
しかし、もちろんデメリットもある。
日本で開催される見本市は競合になり、価格競争が激しくビジネスになりにくい。
当然、新商品の第一発見者になることが難しく、独占販売権を獲得するのは困難だ。
またアジアなどのメーカーは、自国で開かれる見本市より
高い価格設定をしているケースがある。
輸入ビジネスの最大の魅力は新商品の発掘による独占販売権の獲得と、
自由な価格設定による高い租利率である。
この2つが困難なことから、日本の見本市での商品発掘は、
個人で始めるような初心者にはあまりうまみがない。
それでも、私が輸入ビジネスのビギナーにぜひ行くように勧めるのは、
海外の見本市に行く前の絶好の練習の場になるからだ。
見本市という場の独特な雰囲気に慣れることが重要だ。
いきなり海外の見本市に行き、雰囲気に圧倒されて何もできなかった、
なんてことはよくあることだ。
まずは、日本の国際見本市に足を運び、見本市とはこういうものだと理解し、
日本で予行練習できたら、ぜひ海外の見本市にチャレンジしてみよう。